交通評論

東海道線・乗り換え攻略術・東京~大阪!【青春18きっぷ】

交通評論

青春18きっぷ、過酷ですが便利ですよね。その気になれば激安で東京~大阪を移動できたりしますが、座れないとキツイですよね。また、乗り換えが3分しかない!大丈夫?といったこともあるかと思います。今回は18きっぷで東京~名古屋~大阪と移動するときに、どうすれば快適に移動できるのか?乗り換えがうまくいくのか?ということについて、浜松在住で毎年毎年18きっぷで旅をしている筆者が解説していきます!

東京~熱海(難易度:★★☆☆☆)

首都圏を出発して、まず一番最初に乗る電車で、JR東日本が管轄する区間になります。この区間は東京に近い区間であるため、時間帯によってはかなり混雑します。逆に東京方面へ向かう場合、熱海から乗ればほとんど座れます。以前はすべての列車が東京始発・終着でしたが、現在では上野東京ラインが開通し、ほとんどの列車が群馬県や栃木県などからやってきます。また、小田原までは横浜で分岐している湘南新宿ラインの列車も走っています。全列車にグリーン車が連結されており、700円~1000円程度出せばテーブル付きのリクライニングシートに座れますが、指定席ではないため、混雑している時間帯はせっかくグリーン車料金を払っても座れない・・・ということもあります。こちらは普通列車のグリーン車なので、18きっぷ+グリーン料金のみで乗車できます。

列車の編成は10両または15両です。車両によって異なる場合もありますが、1号車・2号車、9号車、10号車、14号車、15号車にボックスシート(列車の進行方向に向いた座席)があります。それ以外の号車は通勤電車と同じロングシートの座席です。グリーン車は4号車、5号車で、2階建て車両になっています。編成の真ん中、特に6号車~10号車付近は混雑します。また、10両編成の電車は全体的に混雑しています。乗る列車が10両か15両かを知るためには、↓のページで知ることができます。

乗り換え関所:熱海

画像引用:JR東海HP

東海道線の乗り換えにおいて、東の鬼門となるのがこの熱海駅です。ここがJR東日本とJR東海の境界となりますので、朝夕に数本ある東京方面から直通の沼津行きを除けば、ほぼ確実にこの熱海駅で乗り換えとなります。静岡方面から来て、東京方面へ乗り継ぐ場合は両数が増えるためほぼ確実に座れるのですが、この逆、東京方面から来て静岡方面へ乗り継ぐ場合は大変です。最も酷い場合、15両編成から3両編成の列車へ乗り換えることになります。東京方面からの列車が到着・発車するのは4番線または5番線がほとんどで、静岡方面の列車が発着するのは3番線が多いです。1番線は伊東線、2番線は一部静岡方面の列車も出ますが、伊豆急下田行の特急列車の発着が中心です。

熱海駅5番線

もちろんホームは15両分の長さですが、他のホームとの連絡通路が1つしかない上に狭いため、東京方面からの列車が到着するとこの通路はたいへんな混雑になります。階段の位置は、15両編成基準で8号車と6号車付近だったように記憶していますが、微妙にズレているかもしれないです。

熱海~豊橋(難易度★★★★☆)

東海道線の中で、一般的に最も苦痛と言われるのが静岡県内です。東海道新幹線「のぞみ」でも長く感じる静岡県内を各駅停車していくのですから、とてもキツイ区間です。後述のホームライナーを除けば、深夜の1本以外はすべて各駅停車の普通列車で、データイムに快速列車の運転はありません。また、車両に関してもすべてがレールと並行して並んだロングシートとなっており、駿河湾や富士山をゆっくり眺めながら・・・というのも難しいですね。また、昼間の列車は多くが3両編成で、特に静岡駅の前後(興津~島田くらいまで)はとても混雑することがあります。朝や夕方は5両編成や6両編成で運転されることもありますが、基本的に5両や6両が走る時間は混む時間帯になるので、それはそれで混みます。昼間に5両や6両で走る列車もありますが、数は多くありません。この区間はなんといっても景色が良い区間ではありますが、実際は富士~興津の富士山・駿河湾と、舞阪~新居町の浜名湖くらいで、それ以外の区間はほとんど普通の住宅街や山の中を走るので、正直飽きます。また、熱海~函南間は東海道線で最も長いトンネル、丹那トンネルを走ります。だいたい抜けるのに5分以上かかりますが、この間は携帯電話も繋がらないのでかなり暇です。とにかくここは耐える区間です。耐えられなくなったら途中の駅で降りてさわやかに行くといいと思います。特に静岡~浜松間は結構多くの駅から徒歩圏内にさわやかがありますよ。

列車の運用については↓をご覧ください。

ホームライナー

この東海道線静岡地区を楽に超えられる方法として、ホームライナーがあります。このホームライナーはリクライニングシートの特急列車で運転される上、快速列車がない静岡地区において半分以上の駅を通過するのですから、速くて快適です。18きっぷで乗車可能ですが、320円のライナー券を買う必要があります。本来はライナー券が指定席となっており、全席指定席の列車ですが、現在はコロナ禍の関係でライナー券に指定席の表記はなく、空いている席に自由に座ることができます。しかし、2022年3月以降は土日ダイヤで運転されないことが発表されており、今後は平日のみ運転となる予定です。

ただ、このホームライナーは朝夕のみの運転で、列車の本数は多くありません。多くのホームライナーは静岡~浜松間ですが、沼津~静岡を走る列車もあれば、沼津~浜松を通しで走る列車もあります。特に沼津を18:31に発車する「ホームライナー浜松3号」は浜松行きですが、浜松駅に到着後そのまま豊橋行きの普通列車になるので、特に18きっぱーから人気があります。

ホームライナーとは別に、ホームライナーと同じ特急型車両(373系)を使用した普通列車があり、熱海~沼津で1往復、浜松~豊橋間で3往復が運転されています。

乗り換え関所:興津・静岡・島田

画像引用:JR東海HP

静岡地区の列車は行き先が結構バラバラなので、この3つの駅のいずれかで乗り換えることになります。また、時間帯によっては三島、沼津での乗り換えとなる場合もあります。熱海~浜松を直通する列車も少なからずありますが、特に昼間は乗り換えになることが多いです。昼間は熱海~島田と興津~浜松といった具合になっていることが多く、興津~島田のいずれかの駅で乗り換えることになります。できれば浜松行きの始発駅(興津)で乗り換えるのがベストですね。そうすればほぼ確実に座れることができます。

どうでもいい情報ですが、駅から歩いて行ける「さわやか」は、静岡駅、浜松駅からは歩いてすぐ、高塚駅、天竜川駅、豊田町駅、掛川駅、西焼津駅、東静岡駅からは歩いて1kmほどの距離にさわやかがあります。

乗り換え関所:浜松

画像引用:JR東海HP

たまに静岡方面からそのまま豊橋方面に直通する列車もありますが、大部分の列車は浜松で乗り換えになります。下り列車の場合、2番線か4番線に到着することが多いです。そして豊橋方面の列車は3番線または4番線から発車するため、4番線に到着すれば同じホームで乗り換えとなる可能性が高いです。豊橋方面から来る上り列車は1~3番線のいずれかに入りますが、半分くらいの列車は3番線に入ります。そして上りの静岡方面の列車は、1~4番線のいずれのホームからも発車します。こちらはかなりバラバラで、同じホームで乗り換えできるかどうかは運しだいです。浜松~豊橋間は名古屋地区の車両も来ているため、名古屋地区と同じ転換クロスシートの車両も走っています。

浜松駅1番線

浜松~豊橋間の列車のうち、毎時1本程度は掛川発着となっています。このため、一部の列車では浜松で乗り換えるのと掛川で乗り換えるのとでは同じ列車に乗り換えることになります。浜松からはかなり多くの人が乗りますので、その場合は掛川駅で乗り換える方がよさそうです。

乗り換え関所:豊橋

画像引用:JR東海HP

熱海、米原に並ぶ乗り換え難所の1つです。そして筆者が最も嫌いな駅です・・・。同じ会社内でありながら、名古屋方面の列車と浜松方面の列車が接続しないことがあります。特に名古屋方面から来た列車は遅れやすいのですが、数分の遅れでも浜松方面の列車は容赦なく接続せずに発車することがあります。しかし、なぜか待つときもあります。この規則性はまったくもって不明です。

豊橋駅6番線・7番線

線路の関係から、浜松方面の列車は発着・到着ともに必ず7番線・8番線のどちらかになります。一方、名古屋方面の列車は4番線~8番線のいずれかから発着しますが、快速は5番線、6番線のどちらかから出ることが多いです。4番線は6両編成までの列車しか入らないため、普通列車の発着が主ですが、夕方には一部の快速列車が4番線から発着します。ちなみに1番線・2番線は飯田線、3番線は名鉄の列車が発着します。名古屋方面の快速列車は毎時4本、浜松方面の列車は毎時3本ですから、時間帯によっては接続が悪いことがあります。

豊橋~米原(難易度:★★★☆☆)

静岡地区と打って変わって、ここからは快速列車が毎時4本程度走る区間になります。また、車両も外の景色を見にくいロングシートではなく、枕木と並行に座席が配置されている上に進行方向へ座席の向きを変えられる転換クロスシートになりますが、ごくまれに4人向かい合わせのボックスシートの車両がまぎれていることがあります。この区間は名鉄との競合があるため、JRも力を入れているようです。ただ、この快速運転が行われているのは豊橋~岐阜間だけで、岐阜から先は快速を含む(特急を除く)すべての列車が各駅停車になります。また、大垣~米原間は1時間に2本程度と、この東海道線の中で最も本数が少ない区間になります。

快速には4種類あります。まずは最も停車駅が少ない「特別快速」。停車駅は蒲郡、岡崎、安城、刈谷、金山、名古屋、尾張一宮、岐阜と岐阜から先の各駅です。最も速い列車は豊橋~名古屋間を50分弱で走破します。主に朝夕の時間帯、後述の武豊行きの区間快速が運行している時間に走っています。次に「新快速」。西日本では一番速い種別ですが、東海では2番目です。特別快速との違いは大府に止まるかどうかです。新快速は大府に停車します。朝から夜まで運転している種別で、名古屋地区では最も本数が多い種別です。そして次に「快速」。新快速と比較すると大府の隣、共和駅に停車するかどうかで分けられています。そして最後に「区間快速」。多くの列車は大府から武豊線に入る列車に付いている種別ですが、朝夕は豊橋方面へも運転されています。停車駅は岡崎より西は快速と同じで、豊橋~岡崎間は各駅停車となります。ここに書いた停車駅以外にも、一部列車は種別に関係なく三河三谷、幸田、稲沢に止まるものがあります。また、日本ガイシホールでイベントやコンサートがあるときは、笠寺に快速列車が停車するときがあります。快速列車は6両または8両編成での運転です。2両しか差がないように見えますが、8両編成は特に後ろの方が空いていることが多いです。

列車の両数については↓をご覧ください。

乗り換え関所:大垣

画像引用:JR東海HP

土日ダイヤの朝夕は快速列車がそのまま米原まで直通していますが、平日ダイヤの大部分と、土日ダイヤの昼間は大垣での乗り換えが発生します。かつてムーンライトながらが運行されていた頃は、ムーンライトながらから降りた乗客が米原行きの列車に乗り換えるために走り、「大垣ダッシュ」という名前が付けられるほどでした。この大垣駅も乗り換えに難儀する駅の1つで、快速列車が多く発着している5番線へ行く通路は1つのみで、しかも非常に狭く、さらに2つある連絡通路からホームへ降りる通路のうち、1つはエスカレーターのみとなっており、「危ないな」と感じることがよくありました。ちなみに1番線と2番線、3番線、4番線へは前述の5番線へ通じている通路の他、ホームの米原方向にもう1つ古びた通路があります。こちらの古い通路は5番線へ通じていません。

JRが使用しているホームは1番線~5番線までありますが、3番線は切り欠きホームとなっており、2両しか入らないため、もっぱら東海道線の支線である美濃赤坂方面の列車が発着するホームになっています。名古屋方面の快速は1番線、4番線、5番線から発着します。そして米原方面の列車は1番線または2番線からの発車となります。同じホームで乗り換えできることは少なく、違うホームへの乗り換えとなることが多いです。というのも、4つの番線が3つのホームに分かれており、同じホームで乗り換えできるのは2番線・4番線のみとなるからです。階段の位置は米原寄りなので、大垣駅で乗り換えの際は名古屋寄りではなく米原寄りの車両に乗るのが良いでしょう。逆に名古屋方面へ乗り継ぐときは、階段から遠い名古屋寄りの車両が比較的空いています。

乗り換え関所:米原

画像引用:JR東海HP

東の熱海、西の米原です。JR東海とJR西日本の境界駅で、ここからがJR西日本の区間となります。

米原駅のホームは2番線~8番線です。1番線と4番線は欠番となっています。下りの名古屋方面からの列車はほぼ確実に2番線に到着し、大阪方面の新快速は3番線から発車します。つまり同じホームでの乗り換えとなります。ごくまれに大垣からの列車が5番線に着くことがありますが、ほとんどの列車が同じホームでの乗り換えになると思います。問題なのは上りです。大阪方面からの列車、特に新快速が到着するのは5番線、6番線が多いです。普通列車は7番線に着くこともありますが、7番線に新快速が入ることは少ないと思われます。そして名古屋方面の列車は7番線または8番線から発車します。8番線からの発車が圧倒的に多いです。つまり、上り列車はほとんどの場合、違うホームでの乗り換えとなってしまいます。そして、最大の問題ですが、7番線・8番線はホームに繋がる階段が1つしかなく、非常に狭いということです。このため、5・6番線に新快速が着くと、この狭い1つの通路に人が集中します。とても危ないです。大垣も大概ですが、大垣はまだ階段が2つあるだけマシです。米原はもっと酷いです。恐らく、米原駅の上り乗り換えが最も過酷な乗り換えになるかと思いますね。

米原駅7番線

階段の位置ですが、12両編成の場合、5番線、6番線はだいたい名古屋寄りから4両目と6両目付近だったかと思います。7番線、8番線は列車の名古屋寄りに階段があるので、後方、大阪寄りの車両は比較的空いています。

また、下り列車で新快速の場合、米原駅で増結をします。列車によって異なりますが、前8両が米原始発で、後ろ4両が長浜方面から来る車両になることが多いです。長浜方面から来る列車は米原に到着する時点である程度座席が埋まっていることが多いので、米原始発の車両を狙った方が良いかと思われます。

米原~大阪方面(難易度:★★★☆☆)

下り方面の場合はいよいよ最後の区間になります。この区間はJR西日本が管轄する区間で、普通列車の他、新快速という速い列車が運転されています。新快速は山科~姫路間は毎時4本走っていますが、このうち毎時1本は湖西線の方へ行くので、野洲~山科間は毎時3本となります。そして、毎時1本は野洲止まりですので、米原~野洲間は毎時2本となります。ただし、2022年3月のダイヤ改正で米原~草津間で毎時1本の減便が予定されています。普通列車は名古屋地区ほど遅くはなく、特に野洲行の新快速に乗ると、終点の野洲で普通列車にすぐに乗り換えられることが多く、この普通列車に乗り換えれば次の新快速より早く米原駅に着けるので、米原でゆっくりと乗り換えることができます。なお、滋賀県内の普通列車は高槻~西明石間は快速列車になります。この区間はさらに別の普通列車が走っています。ちょっと難解なダイヤですね。

この区間は主に滋賀県を通る区間で混雑がかなり激しいです。この滋賀県内の沿線は近年、巨大なマンションの建設が相次いでおり、これに伴い数年前に8両で走っていた新快速が、(ほぼ)全列車12両編成になりました。普通列車は6両~12両編成となっています。車内は名古屋地区と同じようなもので、すべての座席ではありませんが進行方向へ座席を転換できる転換クロスシートの車両が運用されています。やはり大阪や京都から米原方面の新快速に乗ると、座れないことが多いです。特に夕方は本当に混雑します。上りの新快速で全員が座れるのは早くても草津くらいにはなるかと思います。新快速は多くが兵庫県の姫路が起点・終点となっていて、一部は姫路からさらに先の播州赤穂が終点の列車もあります。そして東側の始発・終点も米原駅ではなく、米原からそのまま北陸本線に入り、長浜や敦賀へ行く列車が多いです。列車の両数は↓をご参照ください。

まとめ・・・東海道を攻略しよう!

18きっぷ

私は東京と大阪のちょうど中間、浜松に住んでいて、東京や大阪へよく18きっぷで旅行していました。東京~大阪を全て普通列車で移動すると、9時間ほどかかりますが、18きっぷ期間中なら2400円ほどで移動てきてしまいます。もちろん新幹線を使えば自由席でも1万円は軽く超えますから、時間はかかってもいいから安く移動したい!という人にオススメです。ただし、本当に1日9時間も普通列車に乗っていると本当に、本当に体力を消耗します。もちろん普通列車には電源設備などもありませんから、暇つぶしに大きめのモバイルバッテリーは必要でしょう。また、部分的に新幹線を使うという方法もあります。新幹線は隣りの駅、または2つ隣でも駅の距離が短ければ自由席特急券が安くなります。オススメの新幹線乗車区間としては、三島~静岡、浜松~静岡、米原~京都です。いずれの区間も自由席特急料金は1000円以下です(これとは別に乗車券も必要となります)。

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