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HUAWEI P60 Pro レビュー!【全眼RYYB+可変絞り搭載】

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HUAWEIが2023年4月に発売したP60 Proのレビューです!約1年半ぶりのPシリーズ新作です。今作ではP40シリーズ以来となるSONYの専売大型イメージセンサーを搭載。カメラがまた一歩進化したモデルとなっています!

P60 Proのスペック

製品番号MNA-AL00
SoCSnapdragon8+ Gen1 4G
Cortex-X2×1
Cortex-A710×3
Cortex-A510×4
重量200g
寸法161×74.5×8.3 (mm)
ディスプレイ6.67インチ OLED
リフレッシュレート最大120Hz
メインカメラIMX888(?) RYYB 48MP f/1.4-f/4.0 可変絞り OIS
超広角カメラ13MP RYYB f/2.2
望遠カメラ48MP RYYB f/2.1 3.5xペリスコープ望遠 OIS
インカメラ13MP f/2.4
構成・定価8+256GB 6988CNY 12+512GB 7988CNY
RAMLPDDR5
ストレージUFS3.1
生体認証指紋認証〇 顔認証〇
バッテリー容量4815mAh
洛可可白/羽砂紫/羽砂黑/翡冷翠
充電規格有線最大88W(20V/4.4A)・無線最大50W
防塵防滴IP68
OSHarmony OS 3.1
対応Band
(4G)
B1/2/3/4/5/7/8/12/13/17/18/19/20/26/28/
32/34/38/39/40/41/66
対応Band
(5G)
5G非対応

HUAWEIの場合、イメージセンサーは公式発表されないのであくまでもリークに基づく予測です。リークによるとメインカメラのイメージセンサーはIMX888というSONYの新型センサーで、RYYBとなっています。もともとは52MPのセンサーを48MPにクロップして使用しています。センサーサイズは1/1.43と思われます。超広角は不明です。ペリスコープ望遠は64MPのOV64Bを48MPにクロップしている模様です。P60 Proは全眼RYYBセンサーとなっています。また、P40 Proで初搭載されたIMX700以来となるSONYの大型専売センサーの供給を受けることができたようですね。これは大きいですね。ちなみにP50 Proでは汎用型でRYYBではないIMX766、Mate50シリーズではRYYBのIMX766yとなっています。

カメラ以外だとSoCがSnapdragon8 Gen1+と、残念ながら8Gen2ではありません。そして5Gにも対応していません。まだSoCに関しては制裁による影響が大きいですね。それから重量が200gと、カメラ重視のフラッグシップにしてはかなり軽いです。今はほとんどのフラッグシップモデルが220g以上ありますので、これは大きなメリットですね。

開封

外箱です。P50 Proの時とは異なりシンプルな箱です。XMAGEのロゴと爪みたいなマークが付いています。爪みたいなマークはディスプレイのガラスのブランドのようです。

外箱を開けると端末が入っています。

その下には充電器とケーブルが入っています。

付属品の一覧です。フィルムは初期状態で端末に貼られています。充電器、ケーブル、TPU素材のケース、SIMピン、説明書と、500元と書かれたカードが入っています。

外観

ディスプレイです。指紋認証の位置は廉価機にありがちな随分低い場所に指紋センサーがあります。左右のみならず上下も僅かながらエッジが付いているディスプレイです。P50シリーズとは異なり左右のエッジは控えめとなっています。インカメラはパンチホールです。ディスプレイはやや丸い感じがあります。6.67インチですが、それほど大きいという感じはありません。

右側面です。他の端末に比べて音量ボタン、電源ボタンがやや高い位置に付いています。持ってみるとフラッグシップにしては薄いな!と思いました。X90Pro+が9.7mm、Find X6 Proが9.5mmなのに対し、P60 Proは8.3mmと1mm以上薄いです。左側面には何もありません。

端末上部です。スピーカーが付いています。

端末下部です。スピーカー、USB-C、SIMトレイがあります。

背面です。カラーバリエーションは白、紫、黒、緑がありますが、今回は紫を購入しました。白が圧倒的に人気のようです。思ったよりも紫っぽくなく、光の当たり方でいろいろな色に見えます。最近のフラッグシップはレザーが主流ですが、個人的にはこういう背面が好きですね。表面はマット加工されており、手触りは良好ですが、滑りやすい感じがあるのでケースは必須かなと思います。カメラ周りはそれなりに出っ張っています。

使い心地・UIなど

AnTuTuベンチマークスコア

AnTuTuは約102万点です。現在のフラッグシップは130万点オーバーなので、それに比べると見劣りする数字ですが、普段使いするにあたってはそれほど困ることもない数字だと思います。それにしても8+Gen1にしては低い数字です。パフォーマンスモードをONにしても大差ありませんでした。

発熱・電池持ち

発熱に関しては結構発熱する方かと思います。特にゲームをしなくても10分ほど使っていると結構温まってきます。ただ電池持ちに関してはそれほど悪いと思いませんでした。普通に使えば1日は余裕で持つ程度の電池持ちではあると思います。

UIなど

ホーム画面です。壁紙はデフォルトの壁紙です。GMSをインストールしてないのでPlay Storeはありません。AppGalleryというのが代替になるのですが、AppGalleryにあるアプリの他、APK Pureからもapkをダウンロード可能なので、GMSに依存しないアプリは正直あまり困ることはありません。Twitterはapkを入れれば動きました。GBoardもapkで動きました。Google Mapsは開くことこそできますが位置情報などが使えませんでした。ちなみに中国版でも地域設定を日本にすればストアが日本版になります。

コントロールセンターです。EMUI12とほぼ同じような感じです。使いやすいですね。

バッテリーの寿命が%で表示されます。vivoやOPPOはすでに対応しているのを確認していたのですが、Huaweiもいつの間にか対応していました。

左からP60 Pro、X90 Pro+、FInd X6 Proです。X90 Pro+を使っていて一度もベゼルが太いと思ったことがないのですが、この3機種で一番ベゼルが太いのはX90Pro+ですね。P60 Proはベゼルが非常に細く、画面の専有面積が高いです。

カメラ

Huaweiはセンサー名を公式発表しないため、あくまでもリークが基になったスペックですが、メインカメラはSONYのIMX888というセンサーのようです。52MPのセンサーをクロップし、48MPとして使用しています。クロップ後のセンサーサイズは1/1.43。超広角は13MPのRYYBセンサーでセンサー名は不明です。ペリスコープ望遠は64MPのOV64Bをクロップし、48MPとして使っています。このOV64BもRYYBです。1/1.43というメインカメラのセンサーサイズは現行のフラッグシップではかなり小さい方ですが、それでもP40シリーズで初投入されたIMX700以来となるHuawei専売(?)のRYYB大型センサーとなります。P50シリーズまではLeicaと協業していましたが、Mate50シリーズからはLeicaとの協業を終了し、自社ブランドである「XMAGE」に切り替わっています。HuaweiとLeicaとの協業はとても長く続きましたが、晩年のP50シリーズでは特にLeica感が薄くなってきていたので、Leicaとの協業終了でカメラのクオリティが下がるということはないと思います。

カメラUI

基本的なカメラUIです。比較的使いやすいカメラUIだと思います。

マニュアル(プロモード)ではISOの最大値が409600となっています。他社は6400~12800程度なので、なかなか凄いです。超広角とペリスコは3200が上限です。

P60 Proのカメラの目玉といえば「可変絞り」。一眼レフのように絞りのF値を変えられる機能で、Xiaomi13 UltraとMate50シリーズ、Xperiaの一部とP60シリーズ程度にしか搭載されていない機能になります。P60 Proの場合、F1.4からF4まで10段階で絞りを変えることが可能です。

動画撮影のUIです。解像度は最大で4K60fpsとなっており8Kには非対応です。全眼4K60fps対応となっています。動画の場合ペリスコに切り替わるのは3.5xではなく4xとなっています。4K60fpsでも撮影中のレンズ切り替えに対応していますが、望遠⇔広角のみ対応で広角⇔超広角の切り替えは非対応の模様です。

機能一覧です。スローシャッターやパノラマモードなど、基本的な機能は一通りそろっています。

Huaweiの特徴的な機能として、「アパーチャモード」があります。この機能自体はかなり前の機種からありますが、P60 Proでは物理的な絞りと、ソフト補正によるボケ効果の2つを加えることができます。アパーチャモードはポートレートモードの物撮りバージョンのような機能です。

設定画面です。比較的シンプルで、あまり設定項目は多くないと感じます。

被写体との距離が近いと自動的にマクロモードに切り替わります。マクロモードにしたくない場合、左下の花のようなマークを押すとマクロモードが解除されます。

オートモードで右下の四角いようなマークを押すと、Googleレンズのような機能に切り替わります。文字の認識から文章の撮影、翻訳、さらには物を撮影するとその商品の販売ページに行けるなど、結構多機能で便利な機能です。

カメラ作例

可変絞り

左がF1.4、右がF4で撮影した写真です。背景のボケ方などが結構違ってきます。可変絞りを積んでいるスマホはまだ珍しいですし、これは魅力的な機能ではないかと思います。この写真はマニュアルモードで撮影しましたが、オートモードだと状況に応じて自動的に絞りが変わります。

これが可変絞りが実際に動作している動画です。はっきりと羽が見えると思います。これはどうやらHuaweiの特許らしく、他社が容易にまねできないような構造のようです。

ここからはOPPO Find X6 Pro、vivo X90 Pro+の2機種と比較していきます。

比較① テレマクロ

いずれもペリスコで撮影。それぞれほぼ最短焦点距離で撮影していますが、P60 Proは圧倒的に寄れます。最短焦点距離は10cmで、もうここまで来ると超広角マクロが要らなくなってくるレベルです。Find X6 Proもある程度近くまで寄れますが、P60と比較するとまだまだです。X90 Pro+は全く寄れません。

比較② 低照度その1(夜景モード)

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やはりvivo X90 Pro+が一番良いと思いますが、P60 Proもかなり健闘していると思います。X90PPが1インチなのに対しP60Proは1/1.4インチですので、圧倒的に不利なはずですが低いF値とRYYBということもありこれだけ健闘しているのだと思います。Findはこの2機種に比べると明らかに良くないです。また、P60 Proはクロップされているせいもあり、周辺減光があまり発生していません。一方Findは周辺減光が激しいです。

比較③ 望遠10x

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解像度に関してはP60 ProとX90 Pro+が同等に感じます。どちらも非常に解像度が良好です。この2機種に比べるとFindはかなり劣ります。拡大すると分かりますが全然解像度が異なっています。ただしP60 ProはRYYBのせいか?色味が少しおかしい気がします。

比較④ 望遠20x

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やはりP60 ProとX90Pro+は解像度に関してはほとんど変わりませんが、P60 Proは黄色っぽいかなと感じました。

比較⑤ 食べ物

可変絞りを搭載するP60 Proは背景がボケにくいように、食べ物を認識するとF4.0で撮影します。P30 Proの時代には食べ物を認識すると異常に黄色くなりましたが、P60 Proではいい感じです。むしろX90の方が黄色いです。センサーサイズが大きく可変絞りがないFindとX90は後ろ側がボケているのに対し、P60 Proは全体にピントが合っています。

比較6 HDR

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やはりHDRにおいてはvivo X90 Pro+が強いと思います。ここはさすがですね。次点でP60 Proでしょうか。なかなかハイレベルな戦いです。

比較7 超広角HDR

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Findはなんかケースと干渉して?変な感じになってますが無視してください(適当)。やはりvivoだけ違う写真が撮れますね。ただ彩度が強いので好き嫌いが分かれるかもしれません。次点でP60かなと思います。

比較8 超広角低照度(夜景モード)

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ここはvivoがやはり強かったです。Find X6 ProはIMX890(1/1.5級)なのですが、豆粒センサーのP60 Proとそれほど大差なかったのは驚きました。

比較9 超広角マクロの最短焦点距離

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超広角マクロはセンサーサイズが小さいP60 Proが圧倒的に寄れます。ただセンサーサイズが大きいFind X6も悪くありません。X90 Pro+もFindとほとんど変わらない焦点距離です。

比較10 テレマクロその2

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X90はこの構図で撮れないのでありません。P60 Proは中国メーカーの中でも比較的色味が弱く、自然色派の人にとっては良いと思います。こういうキツイ色の被写体だと違いがよく分かりますね。

比較11 望遠2x

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2x(約50mm)はX90 Pro+に光学望遠があるのでX90Pro+が強いですね。

比較13 望遠3x

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3x(72~75mm前後)においてはFindが強いです。Findは2.7xのペリスコープがあるので、そこが生きてますね。一方P60 Proはメインカメラのデジタルズームなので解像度が良くありません。

比較14 望遠4x

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4x(約100mm)では、全機種ペリスコープに切り替わります。X90 Pro+の彩度の強さが際立っている感じがあります。拡大するとFindの解像度の悪さがよく分かります。

比較15 望遠5x

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5x(120mm前後)も全機種ペリスコープです。拡大するとやはりFindだけ解像度が悪い感じを受けます。そしてX90 Pro+は彩度が強いです。

比較16 HDR・レンズフレア(夜景モード)

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レンズフレアは意外とどのメーカーも大差なく感じます。X90 Pro+もまあまあレンズフレアが出ていますね。HDRに関してはP60Proは電球部分が完全に白飛びしてしまっていますし、背景の黒潰れ面積も大きいように感じます。Findが意外と良い感じでした。

まとめ・・・これは強い!

私自身P30 Pro以来のHuawei端末で、制裁の影響でGMSなどがなくなった端末の購入は初めてでしたが、とにかくカメラが良いなと思いました。私個人の意見としてはvivo X90 Pro+がダントツでカメラが強いと思い込んでいたのですが、カメラにおいてP60ProはX90Pro+と良い勝負をしていると思います。どちらが強いかは断言できないです。HDRにおいてはX90Pro+にやや分があるものの、低照度性能においてはX90Pro+に肉薄していますし、望遠の解像度もほぼ同等だと思います。さらにP60 Proには最短焦点距離10cmで接写可能なペリスコープ望遠や可変絞りも搭載されているので、カメラのトータル性能ではほぼ同点になると思います。カメラ以外では他社が1インチセンサーを採用する中、1/1.4インチのカメラを採用したこともあり、他社のフラッグシップに比べ10g~20g以上軽く、1mm以上薄くなっています。最近のフラッグシップはカメラ性能が向上した一方、P60 Proは相当良いカメラ性能を持ちながら軽量化を実現していると思います。一見すると1インチと1/1.4インチではやはり性能の差があるのではないか?と感じますが、実際使ってみたところ一番の懸念事項である低照度環境においてもほとんど差はありませんでした。これはソフトウェアとRYYBセンサーのおかげだと思います。P30 Proの頃のRYYBセンサーといえば、食べ物を認識すると異常に黄色くなってしまったり、低照度環境における色再現性に問題があったりしましたが、これについてはほとんど感じませんでした。およそ3年を掛けてブラッシュアップされたなと感じます。カメラだけ見るならば、個人的にはX90 Pro+よりP60 Proの方が好きですね。ぶっちゃけ今まで使ってきたすべてのスマホの中で一番好きなカメラです。

反面、残念な所も多々ありますが、そのほとんどは制裁関係です。まず型落ちSoC。AnTuTu130万点が普通の時代に100万点少々はやはり減点ポイントです。また、発熱も少し気になりました。そしてGMSがない点。他が良いだけにつくづく惜しいですが、その気になれば30分程度でGMSを入れることもできるようなので、その手間が気にならない人なら間違いなく買いでしょう。UIに関しては全体的に使いやすいと思います。HarmonyOSは初めてでしたが、まあほとんどAndroidですね。あんまり気になりません。

カメラは非常に強く、さすがHuaweiという感じでした。型落ちSoCだったりGMSがなかったりしますが、それを考えても非常に満足しています。カメラ専用機と割り切れば十分に使えそうです。Huaweiは制裁の影響でGMSがなかったり5Gが使えなかったりするせいで、普通に使えるスマホを買いたい人には間違いなく用はないですが、最高のスマホカメラが欲しいなら、Huaweiは今でも絶対に外すことはできないなと改めて思い知らされました。Huawei、恐るべし!これまでHuaweiはGMSの関係で避けていましたが、コレはまた次作も買っちゃいそうです。Huawei信者の仲間入りでしょうか?でもそれくらいの価値があるスマホだと思いました。最後までお読みいただきありがとうございました。

P60 Proの良い点

・望遠の解像度が高い

・低照度性能◎ RYYBセンサー

・UIが使いやすい

・フラッグシップにしては軽量・薄型

・可変絞りを搭載

・ペリスコの最短焦点距離が10cm!

P60 Proの悪い点

・デフォルトの状態でGMSなし。導入に手間がかかる

・型落ちSoC(SnapDragon8+ Gen1)

値段が結構高い

VoLTEなし(au系のみ使用可?)

指紋センサーの位置が低すぎる

発熱が気になる

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