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【DxOmark】Pixel6の記事を解説!この記事の重大な問題点とは?

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2021年11月4日にDxOmarkが公開したGoogle Pixel 6 Proのレビュー記事は、その記事のコメント欄やTwitterなどで大炎上。私もその記事を見ましたが、今までも大概ひどい記事ばかりでしたが、今までになくひどい記事でした。この記事では、その記事はレビューとして何が問題か?そして、この記事から見えてくるDxOmarkの杜撰な採点について解説していきます。

DxOmarkって何をやっているの?

DxOmarkはフランスの企業、DxOが運営する採点・レビューサイトです。DxOはこのレビューサイト以外にも写真の加工ソフト(DxO Photo Lab.)を販売していたりします。そんなDxOmarkの特徴は、なんといっても採点をしているという点。スマホのレビューサイトは大小さまざまありますが、さまざまな端末を採点しているのはDxOmarkくらいです。人間は数字に弱い生き物ということもあり、この採点された数字は絶大な影響力を誇ります。この点数を参考にしてスマホを選ぶ人も多いようです。特にXiaomiなどは、DxOと協業しスマホカメラのチューニングを行ったりしています。レビューはスマホカメラの他、オーディオ機器、スマホスピーカー、一眼レフカメラなどの採点・レビューも行っています。

これまでもDxOmarkについては数々の問題が指摘されてきました。記憶に新しいところでは、Huawei P50 Proのレビューに掲載した写真のEXIF(写真の撮影データを記録したもの)が実機のものと異なっているなど、とんでもないレビュー記事を数々上げ、投稿するたびに炎上していた感じがしますが、このPixel6の記事は今までで一番炎上していますね。これまでのDxOmarkの問題点については、過去の私の記事をご覧ください。

それでは、早速今回問題となった記事について解説していきます。問題の記事については以下をご覧ください。

ここからは、この記事の問題が指摘されている項目について、記事を引用する形で解説していきます。

【問題1】全く異なる条件で比較をしている!?

dxomark

Nightの項目です。パッと見ると、一番左のPixel6の写真は背景が黒潰れしており、HDRがしっかり機能していないように見えます。しかし、説明をよく見ると、Pixel6だけ強制フラッシュオンで撮影されているのです。フラッシュを焚くと、手前の被写体に強い光が当たるため、どんなにHDRに強くても背景が黒潰れしてしまうのは避けられません。説明には「These samples show the Google Pixel 6 Pro’s night performance in flash-on mode. Please note that the Pixel 6 Pro does not offer a flash-auto mode, leaving the decision whether to use flash or not to the users.」とあります。Pixel6にはフラッシュのオートがないので強制オンで撮影したとありますが、それならば他の写真も強制オンで撮影すべきでしょう。これでは全く比較できませんし、作例もなんの参考にもなりません。ちなみにiPhone13 ProMaxの記事では強制フラッシュオフで撮影していました。一体何の目的があってこんなことをしているのでしょうか?まともにレビューを書く気があるならば絶対にありえないことだと思います。

【問題2】クロップする場所が違って比較できない!?

次はArtifactsの項目です。またまた3機種を比較していますが、元写真は3枚ともほぼ同じ構図で撮影されているにも関わらず、下の写真では、3枚とも全く違う場所をクロップしています。iPhone13 ProMaxが最も葉が少ない場所をクロップしています。なんでこんなことをしているのでしょうか?せっかく同じ画角で撮影しているならば、同じ場所をクロップして比較するべきだと私は思いますがいかがでしょうか。というかそうしないと比較のしようがありません。少なくとも3枚ともほぼ同じ程度の葉がある場所をクロップするべきですが、それをしていないのは、やはり何かあると疑わざるを得ません。

【問題3】なんでそっちの方が点数が良いの!?

続いてはAutofocusの項目です。この項目では、iPhone13 ProMax(真ん中の写真)が106点、P50 Pro(右)が105点で、Pixel6 Pro(左)は99点でした。もうめちゃくちゃですね。何を基準に採点しているのかわからないです。

一番炎上していた部分がこちら。Teleの項目です。iPhone13 ProMax(真ん中)が97点、Pixel6 Proが93点でした。どういうことなんでしょうね?iPhone13 ProMaxは完全にディティールが潰れているように見えますが、なんと、ある程度ディティールが残っているPixel6より点数が高いという不思議。もともとiPhone13 ProMaxはセンサーも小型で、Pixel6 Proの望遠レンズ(IMX586 1/2インチ 4xズーム)には、どんなにソフトが良くても勝てる見込みはほぼありません。それなのに・・・。一体何を基準に採点しているのか、1ミリも理解できません。

【まとめ】ついに作例すら参考にできなくなった

今回のPixel6のトータルスコアは135点で、第7位でした。Pixel6よりランキングが上にあるスマホを見ると、Xiaomi、Huawei、iPhoneの3社しかありません。Xiaomi、Huaweiの端末はほとんどが発売日または発表日と同じ日に記事が投稿されており、メーカー側が特別に端末を提供したのは間違いありません。また、iPhone13 Proも、発売日が9/24でDxOmarkの記事投稿が9/27と、わずか3日しかありません。一方、Pixel6は発売日が10/28、そしてレビュー投稿が11/4ですから、一週間以上開いています。なぜか、なぜかDxOmarkの点数は発売日から間が開くほど点数が低く、発売日直後に出た記事は点数が高いのです。これについては断定はできませんが、やはり裏で何かあると勘ぐらざるを得ません。

前回のDxOmarkを批判した記事では、たいへん多くの反響をいただきました。その中で多かったのは、点数は参考にならないけど作例は参考になるよね・・・という意見。これについては私もほぼ同意見でした。しかし、今回の記事、特にフラッシュのオンとオフの違いすら理解できていないような作例や、意図的に拡大する部分を変えたように見えるクロップの仕方など、本当に作例すら全く参考にならなくなってしまいました。ますますDxOmarkは記事の質が低下していることに間違いはありません。今後も恐らくこういった作例すら参考にならない記事が多くなってくると思っています。点数なんて飾りですらありません。幸いなことに、レビューサイトはDxOmark以外にも国内外問わずたくさんあります。是非DxOmark以外のレビューサイトを活用して、自分に合うスマホカメラを見つけてみてはいかがでしょうか。

コメント

  1. 水凪紫 より:

    とうとう作例比較すらお役に立たなくなったからホント凄い!と言うかそもそもこんなあからさまに非難囂々になる様な事をやってくるとは流石に思ってなかった。点数のちょっとした改竄や最適化その他(メーカー側にしても)くらいだと考えてたから作例比較には使えると思ってたのに、もう二度と見る事はないでしょう。
    コレでドクソ擁護派はいなくなりますかねぇ?結局全世界のレビューを掘る作業は変わらないなぁ。
    それよりコレちゃちゃっと書けるの凄い私の10倍くらい速そう。

    • はるつばめはるつばめ より:

      作例は役に立つと思ってたんですが、これでもうDxOは完全に用なしになりましたね。これでもまだDxO信者がいそうで怖いんですよ。XiaomiもDxOとの癒着を早々に止めてほしいところなのですが・・・。
      こういう記事はとても書きやすいですね・・・普通の記事の倍の速度で書けます・・・。

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