Xiaomiが満を持して送り出したXiaomi14 Ultra。今回はそんなXiaomi14 Ultraを自費で購入しレビューしました。すごくハイレベルでまとまった端末だなと思う反面、明確な弱点がいくつも存在しており、まだまだだな・・・と思うこともありました。それでは見て行きましょう。
Xiaomi14 Ultraのスペック
製品番号 | 24030PN60G(グローバル版) |
SoC | Snapdragon8 Gen3 ———————– Cortex-X4×1 Cortex-A720×5 Cortex-A520×1 |
重量 | 224.4g(黑色、白色) 229.5g(龙晶蓝) 229.6g(钛金属特别版) |
寸法 | 161.4×75.3×9.2 (mm) |
ディスプレイ | 6.73インチ AMOLED |
リフレッシュレート | 最大120Hz |
メインカメラ | LYT-900 50MP f/1.63 23mm 1インチ OIS f/1.63-f/4 可変絞り |
超広角カメラ | IMX858 50MP f/1.8 122度超広角 1/2.51インチ 12mm 5cmマクロ対応 |
望遠カメラ1 | IMX858 50MP f/1.8 75mm OIS 1/2.51インチ 10cmテレマクロ対応 |
望遠カメラ2 | IMX858 50MP f/2.5 120mm OIS EIS 1/2.51インチ ペリスコープ 30cmテレマクロ対応 |
インカメラ | 32MP f/2.0 90°FOV |
構成・定価 | 【日本版】199,900円(カメラキット付) 【香港版】HKD 8999 【グローバル版】EUR 1499 【台湾版】TWD 34999 【インド版】INR 99999 【大陸版】 12GB+256GB CNY6499 16+512GB CNY6999 16GB+1TB CNY7799 |
RAM | LPDDR5X |
ストレージ | UFS4.0 |
生体認証 | 指紋認証〇 顔認証〇 |
バッテリー容量 | 5300mAh |
色 | 黑色、白色龙晶蓝、钛金属(チタニウム)特别版 |
充電規格 | 有線最大90W・無線最大80W QC4 / QC3+ / QC3.0 / QC2.0 / PD3.0 / PD2.0 |
防塵防滴 | IP68 |
OS | Xiaomi Hyper OS(Android14ベース) |
対応Band (4G) | B1 / B3 / B4 / B5 / B7 / B8 / B18 / B19 / B26 / B28a B34 / B38 / B39 / B40 / B41 / B42 / B48 / B66 |
対応Band (5G) | n1 / n3 / n5 / n7 / n8 / n28a / n38 / n40 / n41 / n48 / n66 / n77 / n78 / n79 |
開封・外観
外箱です。標準的な外箱です。それなりに高級感もあります。
外箱を開けると「Xiaomi」と書かれています。この箱の中に付属品のSIMピン、ケース、説明書が入っています。
黒い箱を取ると端末が入っています。
端末の下に充電器が入っています。香港版なので充電器のプラグはBFタイプとなっています。
本体外観です。グローバル版は黒と白の2色展開ですが、今回は黒にしました。カメラ周りは丸形となっています。
こちらは別売のカメラキットです。箱は本体の箱の3倍以上ありますね。
箱を開けるとこんな紙が。高級感があっていいですね。
カメラキットの中身です。専用ケースとカメラグリップ、カメラ周りの円形部分の交換部品が2つ付いています。このうち1つは金色(銅色?)の色違い、もう1つはレンズフィルターを付けることができるものとなっています。
本体にカメラキットのカバーとグリップを装着するとこうなります。かなりゴツい見た目で、スマホというよりはコンデジに近い見た目となります。
カメラグリップ部分にはバッテリーが内蔵されており、端末に給電することが可能です。ただし容量は少ないです。また、他の機種に差し込むことはできますが、ソフトウェアが対応していないと使うことはできないようです。
こちらはさらに別売りのカラーフィルターキットです。
箱の中身はまずポーチが入っています。このポーチは材質も良く、触り心地も良いです。
そしてこのポーチの中には3つのカラーフィルターが入っています。透明なフィルターはカメラ周りの保護用として使えるようです。他の2つは減光フィルターと偏光フィルターで、SSを落として撮りたい時に使えるようです。
端末上部です。ステレオスピーカーですので上部にもスピーカーがあります。カメラの出っ張りがとても大きいのがよく分かります。
端末下部です。スピーカー、USB-C差込口、SIMトレーがあります。
端末右側面です。音量ボタンと電源ボタンがあります。やはりカメラ周りの出っ張りが目立ちます。
端末左側面です。特に何も配置されていません。ディスプレイは見ての通りほぼフラットなディスプレイになっています。
使用感
日本で使えるかどうか
技適があるので安心して日本で使用できます。VoLTEも使えますし、Felicaがない以外は日本で使うにあたり何も障壁はありません。apnも大多数がプリセットされており、SIMを入れるだけで自動的に通信ができるようになります。
ベンチマーク・発熱・電池持ち
常温環境でのAnTuTuベンチマークスコアは約205万点でした。常温環境にしては十分なスコアで、問題ないと思います。
ただ、特にカメラを使っているときに発熱を感じます。バッテリーは5000mAhと結構大きめではありますが、比較的電池持ちが悪いように感じられます。
カメラ
カメラ構成そのものはXiaomi13 Ultraから大きな変化はなく、メインカメラがIMX989から同じ1インチのLYT-900に変更された程度です。ただしイメージセンサー以外には大きな変化が見られます。まずメインカメラの可変絞りは2段階から無段階可変絞りになり、f値も1.9から1.6になりました。また、5x望遠のf値がf/3.0からf/2.5になり、テレマクロにも対応しました。また、ソフト面においても進化が見られ、動画は8K24FPS/4K60fpsから8K30FPS/4K120FPS対応に進化しています。
カメラUI
基本的なUIがこちら。3.2xと5xが光学望遠となっています。
上のvのようなボタンを押すとこうなります。スーパーマクロは超広角ではなく3x望遠の方が起動しました。
動画は4K120FPS、8K30FPSまで対応。ここまで対応しているスマホはほとんどありません。
作例
まとめ
・テレマクロがとても良い
・1インチ+無段階可変絞りという最強の組み合わせ
・カメラキットは発想が面白いし本当にコンデジのように使える
・3.2x望遠は玉ボケが期待できる
・望遠解像度◎
・技適がある
・ディスプレイがほぼフラット
・カメラが手ブレしやすい←一番重大な欠点
・低照度撮影性能はやや弱い
・電池持ちがあまり良くない
・発熱が大きい
・大陸版はROM焼きが難しくなった
カメラに関しては特に望遠の強化が大きいと感じました。望遠に使われているイメージセンサー(IMX858)はこれまで解像度があまり良くないと言われてきましたが、Xiaomi14 Ultraにおいては解像度が悪いということは感じませんでした。むしろ望遠に関してはX90Pro+(OV64B)より明らかに上と言えるレベルだと思います。特に3.2x望遠は本当に凄いです。最短焦点距離は5cmとかなり短く、なおかつf値も低く、さらに開口部が丸いので丸ボケもします。センサーサイズは小さいですがこれは本当に凄いです。また5x望遠もなかなかで、他社の端末と比較しても勝てそうです。ただ20x以降は同じセンサーで6x望遠を搭載しているFind X7 Ultraと比較するとやや劣るような感じがあります。30x以降はAI補正が導入されましたが、良くも悪くも明らかに補正されているという感じはありません。また、メインカメラに搭載された可変絞りも凄いです。Xiaomi13 Ultraの可変絞りは2段階しか調整できませんでしたが、14UltraではHuaweiのようなほぼ無段階可変絞りを1インチセンサーで実現。ついに1インチ+可変絞りの時代が来たな・・・という感じがします。弱点としてはメインカメラの低照度性能についてはやはりvivoと比較すると明らかに見劣りします。これに関しては来年に期待したいところです。それから特に望遠は手ブレしやすいのが非常に気になります。昔のXiaomi端末(Mi11U/12SU)でも感じていた事なのですが、残念ながらXiaomi14Uでも全然直っていないな、というのが正直なところでした。ですがトータルの完成度は非常に高いと言えると思います。2024年のフラッグシップ端末として十分すぎるカメラ性能と言えるでしょう。
カメラ以外ですとまず発熱がやや気になります。同じSoCを搭載するFind X7 Ultraより発熱するような気がします。特にカメラを使用していると露骨に発熱が多くなりますね。アプデで改善されることに期待します。ただ電池持ちは特に悪いと感じませんでした。ディスプレイはほぼフラットで、使い心地もフラットなのですが、4角が本当に微妙に湾曲しているせいでフィルムが貼りにくいという弱点があります。どうせここまでフラットなら完全フラットで良かったと思います。指紋認証は超音波式ではありませんが、精度は良好で全く不満はありません。
Xiaomi14 Ultraには大きく分けてグローバル版と大陸版があります。Xiaomi13シリーズまでは大陸版でもグローバル版のROMを焼くことが比較的簡単にできたため、大陸版を買えば良かったのですが、Xiaomi14シリーズ(Hyper OS移行後)はROM焼きの難易度が大幅に高まり、費用もかかるようになってしまったため、グローバルROMを使いたい場合は大人しくグローバル版を買った方が良いです。
この記事を書いていたところ、なんとXiaomi14 Ultraが日本で発売されました。やはり技適があったということは日本発売するということでした。残念ながらFelicaはなく、付属品の充電器が日本のプラグになっていること以外はグローバル版と同一のようですが、それでも大きな一歩ですね。でもできればグローバル発表時に日本での発売情報が欲しかったと思います。さらに欲を言えばグローバル版と同時発売が良かったのですが、それは来年以降に期待です。どれほど売れるかは全くもって未知数ですが、少なくともTwitter上ではトレンドに乗るなど大きなムーブメントが起きています。そして値段もカメラキット付きで19.9万円と、並行輸入とそれほど変わらないかそれよりも安くなっています。最近のXiaomi Japanはかなり頑張っていると思うので、今後も期待したいですね。
総評としてはベストではないものの、非常に高いレベルでまとまっている端末という感じです。「ベストではないものの」まあこれくらいの性能なら99%の人が満足できるでしょう。確かにカメラは強いのですが、手ブレしやすかったり低照度環境に弱いなど、明確な弱点も見られます。また、(Mi11Ultraほどではないにしろ)発熱が酷く電池持ちが悪いなど、カメラ以外にも弱点があります。確かにテレマクロなどは凄いのですが、反面弱いところも少なからずあり、少々過大評価されすぎてはいないか?というのが正直な感想です。とはいえやはり99%の人はこれで満足できるというのもまた事実かなと思います。良いのは確かですが、ちょっと問題点もいくつかある、そんな端末です。