レビュー・批評

携帯電話基地局の見分け方・探し方!【写真付き】

レビュー・批評

いきなりですが問題です!

さて、この基地局はどこの携帯会社の基地局でしょうか?

・・・答えについては、この記事を読めば分かります!最後までどうぞお付き合いください!

そもそも基地局ってなに?どこにあるの?

携帯電話。たぶん皆さんお持ちだと思います。この携帯電話の通信を可能にしているのは、まぎれもなく基地局という存在があるからです。普段の生活では皆さん意識していないかもしれませんが、携帯の基地局は日本中いたるところに、あなたの家の近くにも絶対にあります。なかったらあなたの携帯は圏外になってます。それでは、全国に基地局ってどれくらいあるの?というお話。

この総務省の資料によると、4G LTEの基地局だけでも、docomoが25万、auが18万、Softbankが17万、楽天モバイルが5000局あるということが分かります。ちなみに1つの基地局から複数の周波数帯の電波が出ている場合、重複してカウントされるためこの数がそのまま基地局の数とイコールになるわけではありませんが、それでも本当にものすごい数の基地局があることが分かります。

それでは、基地局ってどこにあるのでしょうか?基地局には大きく分けて3つのタイプが存在します。まずは都会型。ビルやマンションなどが多い都会の基地局は、建物の上にあります。高い建物の屋上を見ると、円筒形やカマボコ型のものが立っていることがあります。これが基地局のアンテナです。都会の場合、ビルの中やビルの谷間でも繋がりやすくなるように、比較的基地局の密度が高くなっていますので、多分周りを見回せば1つくらいは基地局があると思います。2つ目は郊外型タワーです。山や高い建物が少ない平野部の場合、高いタワーの基地局が多いです。また、山間部の場合、山の頂上付近にタワーがあったりしますね。一番最初に載せた基地局の写真もこのタイプです。ビルの上にあるタイプでは外観から携帯会社を判別するのは極めて困難ですが、このタワータイプの場合は比較的簡単に携帯電話会社の判別が可能です。3つ目は、電柱型の小型基地局です。これはタワータイプの基地局の電波がやや弱いエリアのために補完的に使われたり、タワーを建てるのが難しい住宅街などに多く存在します。タワーと違って目立たないので、探すのがちょっと大変です。楽天モバイルはタワータイプの基地局を建てず、すべてこの電柱タイプの基地局が設置されています。タワータイプのものより個性がないため、外観では判別が難しいものも存在しますが、基地局の真下まで行けばだいたい会社名が書いてあるのでそこで判別可能です。

それでは、各携帯電話会社ごとに、基地局にどのような特徴があるか見ていきましょう。

NTT docomoの基地局

NTT docomo 新居無線局

ドコモの基地局は、とにかくタワータイプの基地局が多いです。また、タワーでもとにかく巨大なタワーが多いですね。3本脚の高いタワーはだいたいdocomoの基地局です。また、アンテナの上部構造も独特で、丸い形の足場が柱の周りをぐるっと一周しており、その上部構造も大きくて立派なのが特徴的です。また、基地局によっては普通の円筒形のアンテナの他に、白くて円形の大きいアンテナが上に載っていることがあります。これはマイクロエントランスといって、通常基地局同士は有線回線によって接続されますが、有線回線の設置が難しい場合はこのマイクロエントランスというものを親局・子局双方の基地局に設置し、無線で通信を行っているようです。この三本足のタワーがdocomoの基地局では最も多いです。

この上部構造体が六角形になっているタイプもdocomoの基地局でよくあるタイプです。一本足ですが、柱がとにかく太いのが特徴で、ほかのキャリアだとこの太さはめったに見ないです。

docomoの基地局の場合、基本的に基地局の名前が書いてあります。このプレートには何種類かありますが、今までこれがないdocomo基地局は見たことがないです。

また、タワーの柱にはこういった、基地局の形状や搭載されているアンテナなどが書かれたプレートが付いていることが多いです。アンテナの形式は基地局ごとに違っていたりするので面白いです。

また、docomoでも少なからず電柱タイプの基地局もあります。この小型のアンテナが2つ付いているタイプは結構見かけます。このアンテナが4つ、または8つ付いている基地局はPHSの基地局ですが、2つの場合は携帯電話の基地局です。タワーでは微妙にカバーできていないエリアをカバーするために設置された基地局と思われます。ちなみにこのタイプでも、電柱に取り付けられている機器類のところに無線局名と「docomo」の文字がありました。

とりあえずdocomoの基地局はほとんど一本柱・三本柱タイプで、鉄骨組みタイプのものは見たことがありませんので、鉄骨組みの基地局は恐らくdocomoではないと推測できます。docomoの基地局は敷地も広く、車を止めるスペースがある基地局も多いです。また、とにかく上部構造が巨大で、全体的に豪華なのが特徴です。au、Softbankと比較してタワー型基地局は判別が簡単で、高いことが多いので見つけやすいです。また、写真以外にも電話交換局に併設されているタワーもあります。こちらは一本柱タイプが多く、とにかく上部構造が非常に巨大です。このタイプはなぜかNTTの電話交換局に併設されており、もしかしたら携帯電話用アンテナ用以外の役目もあるかもしれません。

KDDI auの基地局

docomoとは違い、KDDIの基地局は結構バリエーション豊富です。KDDIは2000年にDDI、KDD、IDOという3つの会社が合併してできた会社です。なのでこの3社のどれが建てたか、あるいはKDDI化以後に建てられたかにより、形状が結構変わってくるのではないかと推測します。そういった中でKDDIの基地局で特徴的なところとしては、基地局の一番上が三角屋根のような感じに避雷針が設置されている基地局が多いです。基地局の一番上が三角形になっていたらおそらくKDDIの基地局ではないかと推測できます。ただしすべてがそうなっているのではなく、だいたいタワー型基地局の半分くらいがこの三角形になっています。

docomoのところで「三本足はだいたいdocomo」と言いましたが、KDDIにも数少ないながら3本脚タイプが存在しているようです。この基地局はdocomoに見えますが、よく見ると一番上が三角屋根になっており、そこでKDDIかdocomoかを判別することができます。このあたりはなかなか難しいところではあります。あとはdocomoの基地局に比べると若干足が細いです。

KDDIの基地局の他の特徴としては、タワーの途中に設置されているアンテナが結構多いという点もあるかと思います。一番最初の写真もそうですが、docomoはアンテナのほとんどが最上部に付いているのに対し、KDDIの基地局は途中からいろいろなアンテナが枝分かれしています。中にはPHSのアンテナと同居している基地局もありました。

KDDIの基地局もdocomoと同様に、ほぼすべての基地局に社名表記と基地局名の記載があります。ただしdocomoのプレートと比べれば小さく目立ちません。また、画像のように文字が消えかけているものも多くありました。

あとはこういった円錐型の小型アンテナが付いているのもauの基地局の特徴です。ただこの円錐アンテナはdocomoの基地局にもたまにあったりしますが、auの基地局はだいたいこれが複数あるのでそこも判別できる材料の1つになります。上の写真でも右側に小さい円錐型アンテナが2つありますね。これはGPSアンテナで、auが採用している「CDMA2000」という通信方式において必要のようです。

auは電柱タイプの基地局も結構ありますが、他社と比較して電柱タイプでも豪華なものが多いです。この基地局も電柱タイプでは珍しく周囲が柵で囲まれており、高さはあまりないですが、機器類が結構豪華です。こういったタイプの電柱基地局がauはかなり多く存在しています。

Softbankの基地局

ソフトバンクはさまざまな会社が合併を繰り返したということもあり、様々なタイプが存在します。ソフトバンク会社の原点はなんと国鉄分割民営化で、もともと国鉄の線路沿いに引かれていた電話線を利用した「JR通信」が最初。そのあとは日本テレコム→デジタルホン→J-PHONEで、その後ボーダフォンが買収。そのあとさらにSoftbankが買収して、今のSoftbankモバイルに至ります。さらに2011年にはイーモバイルも買収しており、中には元イーモバイルの基地局も存在します。さらに、PHS事業をやっていたウィルコムも買収したので、PHSの基地局も今は実質ソフトバンクグループの基地局です。

ソフトバンクのタワー型基地局はこういった鉄骨組みで、比較的アンテナが少ないのがソフトバンク基地局の特徴です。KDDIも鉄骨組みの基地局が多いですが、決定的な違いは鉄塔の途中から分岐しているアンテナが多いか少ないか。KDDIは高確率で途中からアンテナが出ていますが、ソフトバンクのタワーはほぼ一番上にしかアンテナはありません。また、KDDIより小ぶりな基地局が多いイメージです。

J-PHONE時代に建てられたものの一部は、こういう一本足タイプも結構多くあります。J-PHONE時代の特徴としては、上部構造物がこういう高さが低い丸形という点。これは多くの基地局で見られる構造です。

こちらも同じくJ-PHONE時代に建てられた基地局。先ほどの基地局とは違い、下が鉄骨組みになっていますが、上部構造体の形状はよく似ています。このタイプも結構あります。

こちらは元イーモバイル基地局。この基地局はまだイーモバイルの看板が残っていましたが、この看板が撤去されたものも多く、どれが元イーモバイルか判断するのが難しいです。ちなみにこの基地局はすぐ横に別のソフトバンク基地局があったため、現在使われていないかもしれません。イーモバイルの鉄塔型基地局は結構レアで、めったに見かけませんね。

Softbankは電柱タイプの基地局も多いです。というのも、ボーダフォンからソフトバンクになったときに、ボーダフォンでカバーできていないエリアに大量に電柱型基地局を建てました。見分ける特徴としては、やはり下の機器類の箱。だいたい機器類の箱はこういう形のタイプがほとんどです。アンテナは普通の円筒型のものもありますが、楽天の基地局のようなカマボコ型アンテナも見られます。

ソフトバンクの基地局は、docomoやauと異なり、何も書かれていないことが多いです。基地局名まで書かれている基地局は激レアです。ステッカーすら貼っていない基地局も多いのですが、中にはこうした「Softbank」や「J-PHONE」のステッカーが貼られた基地局もあります。このほか、ボーダフォンのステッカーを貼った基地局もあります。docomo、auはほぼ確実に基地局名が書かれたプレートがあるので、何も書かれていないということはソフトバンクの基地局の可能性がとても高い、と言えるでしょう。

楽天モバイルの基地局

楽天モバイルの基地局は一番見分けやすいです。ほぼすべてがこの上の写真のようなタイプです。ごくまれに上のアンテナが2つだけだったりするのですが、それ以外に違いはほとんどありません。この形だったら間違いなく楽天です。建てられた時期によりアンテナの大きさが若干違います。上は中期型タイプですが、最近できた基地局の中にはアンテナがもう少し薄くて大きいタイプも確認しています。

こちらは楽天モバイルの5G基地局です。この基地局はSub-6とミリ波の両方のアンテナがありますが、基地局によってはSub-6のアンテナのみしかない基地局もあります。ちなみに4Gのアンテナの真下にある大きい四角形がSub-6で、さらにその下がミリ波になります。5Gのアンテナがある基地局は意外と多いのですが、稼働していないものが多いです。

UQ WiMAXの基地局

こちらは非常にレアなツーカーの基地局です。地元ではこの一か所しか見つかりませんでした。ツーカーの基地局は上のような三本槍タイプが多いです。ツーカーは2008年にサービスを終了しており、この基地局には「UQ」のステッカーが貼られていたことから、現在はUQ WiMAXの基地局になっていると思われる。

UQ WiMAXはKDDIグループですから、auの基地局にUQが同居している例はよくあります。その場合、「UQ」のステッカーが貼られているので分かりやすいです。

最初の問題の答え

ここで最初の写真に戻ります。ここまでお読みいただければ、この基地局がどこの会社なのか分かりますよね?そう、「docomo」です!判別ポイントはまず三本足であること、それと上部構造体が豪華で巨大なこと。docomoはパッと見でだいたい分かるんですが、auとsoftbankのタワー基地局見分け方は難しいです。

基地局を探すのに便利なツール

基地局探しには「cellmapper」というサイトを使うととても便利です。これはユーザーの位置情報などから、基地局のおおよその位置を特定し、マッピングしているものになります。ただし基地局の位置は実際の位置と結構ズレていて、必ずしも正確ではありませんが、参考にはなるかと思います。左のサイドバーの「Provider」をどんどん下に行くと「Japan」の欄がありますので、そこからキャリアを選択すると表示されます。国内4キャリアにはすべて対応しています。

まとめ

タワー型基地局を見極めるときのフローチャートが上記になります。電柱タイプはかなりいろいろなタイプがあるので一概には言えないです。まあタワータイプもだいたいの傾向としては上記のような感じなんですが、結構例外があるので、難しいところではあります。タワー型・電柱タイプの場合は、だいたい下まで行けば会社名が書かれたプレートがありますし、ない場合はだいたいソフトバンクなので、下まで行けばおおよそ判断できます。あと確実な方法としては、3社のSIMをそれぞれ契約して電波の強度を調べながら行くという方法もありますが・・・なかなか難しいですね。ただ基地局を探すのはとても面白いので、自由研究などにいかがでしょうか。

タイトルとURLをコピーしました