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楽天モバイルは繋がらないって本当?契約すべきでない3つの理由!

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【楽天モバイル】繋がらないって本当?契約すべきでない3つの理由!

はいどうもーーーーーーーーー。携帯会社選び、失敗したくないですよね。たくさんある携帯会社の中でも、今楽天モバイルはとてもお得なプランを展開しており、一見すると非常に魅力的に見えます。しかし、実際のところはどうなのでしょうか?実際に私が契約してみたのですが、値段相応・・・いや、値段以上にデメリットばかりでした。今回はそのデメリット3つを詳しく解説していきます。

悩むおばさん
悩むおばさん

「楽天モバイル」ってよくCMやっているし、3か月間無料?

そんな美味しい話には裏があるんじゃないかしら・・・。

かんりにん
かんりにん

はい!おっしゃる通りです!

安いには安いなりの理由があります!

楽天モバイルを半年間使った私が解説しますね!

楽天モバイルってなんなのよ

楽天モバイルは通販「楽天市場」などを展開する楽天が設立したモバイル会社です。以前は他社の回線を借りる、いわゆるMVNOとしてやっていましたが、2020年に自社で回線を整備するMNOに参入。参入後意欲的に基地局を整備し、現在基地局数は約20,000局に及びます。料金プランは1つのみで、特徴としてはデータ使用量に応じて料金が変化するというプランです。また、データ使用量の上限がなく、いくら使っても通信速度を制限されることはありません。しかし、パートナー回線の場合は5GBまでで、それ以上使うと通信速度制限がかかります。プランが1つしかないため、パートナー回線5GBの縛りを解放することはできません。

筆者が楽天モバイルを契約した理由

楽天モバイルと契約したらダメよ!と言っておきながら、筆者は楽天モバイルユーザーです。だからこそ、こうやって契約すべきでない!と堂々と言えるわけですね。エアプレビューを信用してはいけません!!!

私が楽天モバイルと契約したのは、2月頃。ぼちぼち1年間無料のキャンペーンが終わるんじゃね?ということで契約しました。まあ1年間無料だから、サービスが悪くても大丈夫だよね!と思って契約しました。残念ながら思った通りでした。大手より安い価格で同じような通信品質を得られると思ったら大間違いですし、なんなら楽天モバイルと契約するくらいならMVNOの方がはるかに良いと思います。以下、そう思う理由を書いていきます。

問題1・・・使える機種がとても限られる

楽天モバイル公式HPより抜粋した「楽天製品対応製品」のAndroid端末一覧。一見多いようにも見えるが、本当にこれは国内端末のごく一部である。話題のSHARP R6や、Xperia 1Ⅲ、Samsung S21シリーズ、Xiaomi Mi11 Liteなどの文字はない。

楽天モバイル最大の問題はこれです。まず、iPhoneは大丈夫です。最新のiOSにアップデートし、他社で購入したものもSIMロックさえ解除されていれば問題なく使えます。

問題はAndroidです。Androidで使える機種はとても限られます。公式に「動作確認端末」というものを出していますが、一部機能は使えても、すべての機能が使えないケースが多いです。普通に使うためには、「自社回線」「パートナー回線」「SMS」あたりは使える必要があるのですが、使えない端末が多いです。ほぼすべての機能を使えるのは、一部のSIMフリー端末くらい。海外端末やキャリア端末を使おうと考えている方は注意が必要です。注意が必要というかあきらめてください。

なんでこんなややこしいことになっているのでしょうか?他社のSIMではSIMロックが解除されており、必須バンドに対応していればどんなSIMでも普通に使えることが多いです(VoLTEの問題とか難しい問題もあるけど)。こうなっている理由は、ズバリ、パートナー回線というややこしいシステムのせいです。楽天モバイルが自社で回線を整備し始めたのは前述の通りつい最近です。長い年月をかけて整備されてきた大手3社に追いつくのにはとても時間がかかります。さらに、楽天モバイルにはいわゆるプラチナバンドが割り当てられていません。プラチナバンドとは、比較的低い周波数帯で、壁などの障害物を通り抜けやすい特性を持ちます。楽天が今割り当てられている周波数帯はこういった障害物に弱く、建物の内部などではつながりにくくなってしまいます。そのため楽天モバイルはauのプラチナバンドネットワークを借りることにより、自社で不足する部分を補っているわけですね。

しかし、この「パートナー回線」というシステムがあるキャリアは、世界各国見ても極めて珍しいのが実情です。そのため、海外端末だったり、国内端末でもキャリア端末はこのパートナー回線への切りえに対応していません。もうちょっと厳密に言うと、自社回線→パートナー回線への切り替えは自動的に行われますが、パートナー回線→自社回線への切り替えができません。そのため、自社回線エリアに入っても自社回線に切り替わることなく、延々とパートナー回線のギガ数が消費されていくということが起こります。機種によっては一旦機内モードをオンオフすると自社回線に接続されたりすることもありますが、とても手間がかかることに間違いはありません。このパートナー回線→自社回線への切り替えに対応しているのは最新のiOSとインストールしたiPhoneと、一部のSIMフリーAndroid端末に限られます。使える端末が限られてしまいます。また、電話アプリ「Rakuten Link」も厄介です。楽天モバイルは普通の電話アプリで電話を掛けると通話料がかかってしまいますが、このRakuten Linkで電話をすればかけ放題となっています。このRakuten Linkも特殊で厄介なんですよー。まず端末を認証するためにSMSを受信できる必要があるんですが、これも動作確認されているSIMフリー端末を除き、SMSを受信できないことがあります。つまりそういった端末ではRakuten Linkが使えません。こういった非常に特殊で厄介なシステムがあり、まともに使える端末が限られる、それが楽天モバイルを契約するべきでない1つめの理由です。

問題2・・・プラチナバンドがないから繋がらない問題

一般的な楽天モバイルの基地局。カマボコ型アンテナが3つ(稀に2つ)乗っているのが特徴的で、見分けるのは簡単。

前項でも解説した通り、楽天モバイルにはプラチナバンドが割り当てられていません。楽天モバイルはプラチナバンドの割り当てを切望していますが、現状、プラチナバンドに空きがないので割り当てができない状況が続いています。これから3G回線が停波され、空き周波数が出てくる可能性があるため、2023年にプラチナバンドの利用開始を希望していますが、現在のところその通りに行くかどうかは見通せません。これは私の予想ですが、それより数年は遅れるのではないかと思います。そのため、今楽天モバイルと契約しても、数年間はプラチナバンドがない状況で使わなければならないと思います。

現在、楽天モバイルではある程度基地局が整備されたエリアは、auとのパートナー回線を終了しています。すでに東京、大阪、名古屋などはパートナー回線が利用できません。前述の通りパートナー回線はプラチナバンドですから、これが終了するということは完全にプラチナバンドがない状況になります。つまり、基地局から少し離れたビルや地下などでは、圏外になってしまうという事象が起こっています。特に都会に住んでいる人やよく都会に行く人、勤務地がビルの奥まった場所などの場合、特に楽天モバイルとの契約はやめた方が吉でしょうね。

問題3・・・度重なる不祥事と赤字

上の2つも大きな問題ですが、それ以前の問題もあります。楽天モバイルはここ1年で2回、大きな不祥事を起こしていますし、小さな不祥事は数知れません。

不祥事1:対応Band偽装事件

楽天モバイルが販売する端末「Rakuten Mini」において、対応Bandの偽装がありました。まず国内で使うスマートフォンは、すべて「技適」がないといけません。この技適の申請では、使用する周波数(Band)も申請しなければならないのですが、Rakuten Miniでは、技適および公式のスペック表では「Band1」に対応していることになっていましたが、実際は対応していませんでした。Rakuten Miniは発売当初、Band1に対応している端末を販売していました。(以下、憶測)しかし、このRakuten Miniはとても安くコスパに優れた端末だったため、端末のみを購入し他社のSIMで利用する人が続出。これでは楽天の利益が減ってしまいます。そこで、自社には関係なく、大手3社が利用する「Band1」を使えなくしてしまいました。(以上、憶測)Band1を使えなくしてしまったのに、技適情報の変更およびユーザーへの案内・説明がなされることはありませんでした。これにより楽天モバイルは電波法違反となり、行政指導を受けました。ちなみにこれが初めての行政指導ではなく、通算5回目だったようです。

不祥事2:ソフトバンクの機密情報持ち出し事件

これは記憶に新しいところで、かなり大きく報道されたので覚えている方も多いと思います。元ソフトバンク社員が楽天モバイルに転職するとき、ソフトバンクの基地局などに関する機密情報を持ち出し、それを楽天モバイルに提供した容疑で逮捕されました。楽天モバイルはこの機密情報を業務に使用したことはない、としていますが、ソフトバンク側は10億円の賠償と基地局使用停止を求めて訴訟を起こしました。まだ判決は出ていませんが、ソフトバンク側の主張が完全に認められた場合、基地局が使用停止、つまり全く電波が出せない状況になってしまいます。おそらく電波の公共性の観点から突然楽天のSIMが使えなくなる可能性が低いですが、今後もしソフトバンク側の主張が認められた場合、少なからず影響を受ける可能性があります。

赤字問題

楽天モバイルは、とにかく利用者を増やさなければ総務省から割り当てるバンドを増やしてもらえないため、「1年無料」「1GBまで永年無料」などといったかなり大胆なプランを打ち出しました。しかし、当然ながらこれでは利用者は増えても、利益はまったく増えないということになります。そのため、楽天モバイルは現在かなりひどい赤字になってしまっています。楽天市場やトラベルなど、ほかの事業である程度穴埋めはできてはいるものの、2020年12月の連結決算では1141億円という巨額の赤字を計上しました。さらに、楽天モバイルにとっての最大の誤算としては、「ahamo」をはじめとする大手3社の格安プランでしょう。楽天モバイルの方がプランとしては若干有利とはいえ、相手は大手。通信品質やブランドで勝てるわけがありません。さらに、楽天が展開する「楽天カード」のポイント還元率の減少など、改悪が止まりません。これはこのモバイル事業で出た大幅な赤字を多少でも解消したいのではないかと思いますが、結果的に利用者が離れてしまっています。モバイル部門は値上げしたら利用者が減り、結果的に総務省から見放されてしまう可能性もありますから、モバイルの料金プランは改悪できない状況で、まだまだ基地局が足りていないので作らなければなりませんし、延々と赤字は増えていく一方。果たして楽天はこのモバイル事業を継続できるのかが怪しいと個人的には思っています。

度重なる不祥事と解消の見込みがない赤字を抱え、すでに楽天モバイルは満身創痍といってもいい状況で、事業の継続性という点で不安があります。また、2021年3月時点で行政指導を7回も受けているなど、会社の体質はお世辞にも良いとは言えません。そういった意味で、会社への信頼性もありませんので、そういうことを気にするならば楽天モバイルと契約することはないでしょう。

楽天モバイルを実際に使ってみた感想

筆者はおよそ半年間、楽天モバイルを使っています。しかし前述の通り、楽天モバイルは機種の制約が非常に激しく、残念ながら楽天モバイルのすべての機能が満足に使える端末は持っていません。まず国内キャリア機(docomo)のHuawei P30 Pro。やはりパートナー回線→自社回線への切り替えが自動ではいきませんし、SMSが使えません。また、Mi11 Ultra(中国版)についても、同じくパートナー回線→自社回線への切り替えは自動でできませんでしたが、自社回線ではSMSが使えるようでした。いずれにしても「まともに使える」というレベルには程遠く、残念ながらまともに使えたことがありません。

楽天モバイルの通信速度ってどうなの?

「Speedtest」というアプリで測定した楽天モバイルの通信速度。一番上のみパートナー回線、ほか自社回線。

通信速度は自社回線・パートナー回線で大きく異なります。自社回線の通信速度は「それなり」です。大手キャリアほど速くはありませんが、MVNOよりは速いです。大手キャリアの場合、複数の周波数帯を用いた「キャリアアグリケーション」が利用できたり、設備についても楽天モバイルより良いので、大手キャリアより若干劣ります。しかし決して気になるほど遅いということはありません。自社回線は。パートナー回線ははっきり言って遅いです。YouTubeで動画再生したりするとたまに止まります。通常のMVNOの場合、Band1など、ある程度通信速度が出る周波数帯を利用できますが、楽天モバイルの場合、通信速度が遅いプラチナバンドしか利用できません。そのため、パートナー回線の通信速度は通常のMVNO以下という認識で良いと思います。楽天回線が整備されていないエリアにお住まいの方は、注意が必要です。というかやっぱりあきらめてください。エリアマップはこちら

楽天モバイルの5Gについて

楽天モバイルの5G基地局。数はそこそこありますが通信範囲は狭い。

楽天モバイルの5G基地局は意外と数が多いです。上の写真が代表的な5G基地局になります。大手キャリアの5G基地局はSub-6のみの基地局がほとんどですが、楽天モバイルの基地局はミリ波のアンテナもあるものが多いです。

私の地元、浜松市内には5G基地局が5か所あるようです。これは大手キャリアと比較しても決して少ない数ではありませんが、楽天モバイルの基地局は大手キャリアとは違い、電柱タイプの基地局ばかりです。そういう理由もあってか、5Gのつながる範囲というのは非常に狭く、Sub-6であっても基地局から半径200m~300m程度しかありません。この基地局の近くでは1000mpbsという非常に高速の通信が可能ですが、あまりにも範囲が狭いので実用的ではありませんね・・・。

楽天モバイルの「つながりやすさ」(実感)

【楽天モバイル】繋がらないって本当?契約すべきでない3つの理由!
浜松南部の楽天モバイルエリアマップ。かなり広い範囲で使えるのが分かる。

地元浜松では、かなり広い範囲で使えることが分かります。しかし舘山寺付近だったり、湖西や三ケ日のあたりはまだ回線が整備されていないなど、人口密集地においては大手キャリアと同じ程度の基地局数がありますが、ちょっと人口が少ない場所だとすぐにパートナー回線へ行ってしまいます。また、前述の通りプラチナバンドがありませんので、ビルや商業施設の内部はもちろん、普通の家でも窓から離れた場所だと自社回線につながらないことがよくあります。自社回線に関しては大手キャリアの繋がりやすさと比較すればかなり悪いと言わざるを得ません。パートナー回線は通信速度こそ遅いですが、大手キャリアと同じくらいは繋がります。

まとめ・・・それでも楽天モバイルを選びますか?

ここまで、楽天モバイルのさまざまな問題について見てきました。まず使える端末が国内のすべてのSIMの中で一番限られるという点、プラチナバンドがなく、パートナー回線が終了したエリアの建物の中ではかなり繋がりにくい状況になっているという点、そして相次ぐ不祥事であったり、巨額の赤字など、会社の信頼性や事業の継続性に関する問題もあります。確かに料金プランは安くて魅力的ではありますが、果たしてこうした大きなデメリットに見合うほどのものでしょうか?私は強くオススメしません。現在では大手キャリアでもahamoなどの安いプランがありますし、それに対抗する形でMVNOでもさらに安いプランを展開しています。楽天モバイルの優位性があるとすれば、データ容量の上限がない点、1GB以下無料という点、そして3か月無料という点が挙げられますが、いずれもこれは出血大サービスで、こうしたプランを続ける限り赤字はどんどん拡大していくため、いずれはプランを改悪するか、事業が終了するのではないかと思っています。大手3キャリア寡占状態に風穴を開けたという功績については高く評価できるものの、相次ぐ大手キャリア・MVNOの値下げで完全に追い詰められた楽天モバイルに未来はあるのでしょうか。

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コメント

  1. 水凪紫 より:

    おぉ必要な事が全て書いてある記事は初めて見たんじゃないかなぁ。身内贔屓でなくすばらです流石です。
    で、この問題、楽天の詰めの甘さ部分以外は全て総務省、国が悪いんですよね。私は公平な資本主義的競争で全てが向上しつつ値段も下がるのが理想だと思っているので、最悪の展開だったんですよね。
    なので現状メイン回線には向きませんが、サブ回線等で楽天をみんなで応援してあげよう、と言っています。潰すべきは総務省とアハモなのよね。

    • はるつばめはるつばめ より:

      ありがとうございます。むしろこれを書くために楽天と契約した感じがあります・・・。
      確かに大手キャリアの格安プランは完全に楽天潰しとも取れますね。とはいえ・・・パートナー回線の問題があるので、まともに使えるのがだいたいiPhoneなので・・・。ahamo潰されたら私が困りますので、とりあえずもうしばらくは楽天も使っていきたいとおもいます。

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